健康診断で高血圧と言われたら? 今すぐ始めたい生活習慣の対策と治療の基本|うえの台いたみと内科のクリニック|富木島町の内科・ペインクリニック

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健康診断で高血圧と言われたら? 今すぐ始めたい生活習慣の対策と治療の基本


健康診断の結果で「高血圧」と書かれていて驚いた、あるいは「経過観察が必要」と言われて少し不安になった…そんな経験はありませんか?早い段階で生活習慣を見直すことで、血圧を改善できる可能性は十分にあります。


今回は、薬だけに頼らない“生活習慣治療”をわかりやすく解説します。無理なく続けられる方法を一緒に見つけていきましょう。


■高血圧の改善は日常から。“生活習慣治療”とは


高血圧は「本態性高血圧」が大半で、食塩の摂りすぎ、飲酒、肥満、運動不足、睡眠不足やストレスなどの生活要因が重なって起こりやすくなります。まずは、日々の過ごし方を整えることが治療の第一歩になります。


◎高血圧治療のスタートラインは生活の見直しから

健康診断で「高血圧」と言われた瞬間、多くの人が不安を感じます。しかし、すぐに薬を飲むことになるとは限りません。高血圧は日常の生活習慣が大きく関係しているため、まずは食事・運動・睡眠などの生活改善が“治療”の第一歩です。


◎薬を飲む前にできること

初期の高血圧や軽度の高値血圧の場合、医師はまず生活習慣の見直しをすすめます。これは、薬に頼らなくても、生活の工夫だけで血圧の改善が見込める可能性があるからです。


食塩の摂取量を減らす、体重を落とす、運動を始めるだけでも、数値に変化が見られるケースがあります。


◎“治療”としての生活習慣

食事や運動、睡眠を整えることは単なる予防ではなく、れっきとした治療です。これは「生活習慣治療」とも呼ばれ、日本高血圧学会のガイドラインでも推奨されています。


■高血圧対策の基本① 運動習慣をつけよう


運動は血圧を下げる効果が科学的にも証明されています。毎日の暮らしに取り入れられる無理のない運動習慣を持つことが、高血圧改善の大きな鍵になります。


◎ウォーキングだけでもOK!「ゆる運動」

会話ができる速さのウォーキング、スロージョギング、自転車、階段利用など、生活の延長で十分です。1日30分程度、できれば毎日しましょう。10分×3回の分割でも効果は見込めます。


◎ストレッチが効く?血管の柔軟性と血圧の関係

ゆったりしたストレッチは筋肉と一緒に血管もほぐし、血液が流れやすい状態をつくります。入浴後や就寝前の短時間でも、積み重ねが対策になります。テレビを見ながらでもできる簡単な動きから始めましょう。


◎頑張らない運動”がちょうどいい理由

いきんだり、息を止めるような高負荷の運動は一時的に血圧を大きく上げがちです。軽く汗ばむ程度の“ややきつい”と感じる運動が理想的です。


■高血圧対策の基本② 睡眠やストレスケアも重要


自律神経は血圧を微調整しています。睡眠不足や強いストレスが続くと、交感神経が優位になり血圧は上がりやすくなります。


◎睡眠不足は高血圧の引き金

理想は毎日ほぼ同じ時刻に寝起きする「体内時計にやさしい生活」です。就寝1〜2時間前からスマホやPCの強い光を避け、入浴はぬるめのお湯で短時間にすると、入眠がスムーズになります。


◎深呼吸が薬になる?自律神経と血圧の関係

ゆっくり吐く呼吸は副交感神経を優位にし、血圧を落ち着かせます。日中に1回1〜3分、肩の力を抜いて長めの呼気を意識するだけで構いません。会議前や通勤時の小さな習慣が対策になります。


◎心の余裕が血管にも優しい

短時間の散歩、好きな音楽、趣味の時間など“オフのスイッチ”を意識して作りましょう。積み重ねが治療の一部です。


■高血圧対策の基本③ 食生活を見直そう


塩分の摂取を控えると同時に、血圧を安定させる栄養素を積極的に取り入れることが、予防・改善の近道になります。


◎塩分の摂りすぎが高血圧の最大の原因

日本人の高血圧の主因は食塩です。目標は1日6g未満にすることがおすすめです。


味つけは“だし・香り・酸味”で立たせ、かけ醤油は“つけ”に変更してみてください。味噌汁は具だくさん、麺類のスープは残す、加工食品や外食では塩分表示を確認する…その工夫が治療につながります。


◎カリウム・マグネシウムが血圧の味方に

野菜や果物、海藻、大豆製品には、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。


これらは体内の余分なナトリウムを排出し、血圧の安定に役立ちます。日々の食卓に意識して取り入れましょう。腎臓病などでカリウム制限が必要な方は、必ず主治医と相談してください。


■高血圧の治療を始めるタイミングと流れ


高血圧の治療は、ただ薬を使えばいいというものではありません。治療の開始タイミングや流れを知ることで、正しい判断と安心につながります。


◎どの時点で薬の治療が必要になる?

生活習慣を見直しても血圧が高いままの場合、医師は降圧薬による治療を提案することがあります。


◎高血圧の治療は長期戦と理解しよう

一度始めた治療は、長く続けていく必要があります。薬を飲み始めたからといって、生活習慣の見直しをやめてしまうのは逆効果になります。薬と生活習慣の両輪で血圧を安定させることが大切です。


◎自宅での血圧測定のポイント

血圧は時間帯や体調で変動します。毎日同じ時間、同じ姿勢で測定することで、安定したデータが得られます。家庭用血圧計を使い、朝と夜の2回を目安に測定しましょう。手帳やアプリにすべての値を記録すると、治療の精度が上がります。


■高血圧対策は「気づいた今」が始めどき


高血圧は進行すると、さまざまな生活習慣病や血管トラブルを引き起こすリスクがあります。しかし、正しい知識と対策を持っていれば、未然に防いだり、進行を遅らせる・リスクを減らすことができます。


気づいた“今”こそが、あなたの健康習慣を変える最大のチャンスです。

疑問点があれば、遠慮せずにご相談ください。


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