高血圧対策は食事から! 食べ物・飲み物の選び方と塩分を減らす食事のコツ|うえの台いたみと内科のクリニック|富木島町の内科・ペインクリニック

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高血圧対策は食事から! 食べ物・飲み物の選び方と塩分を減らす食事のコツ


「健康診断で血圧を指摘された」

「親が高血圧だから心配……」


そう思ってネットで調べると、「あれもダメ、これもダメ」と書かれていて気が滅入ってしまったことはありませんか?


高血圧の食事療法で大切なのは、我慢することよりも「賢く選ぶこと」です。今回は治療の土台となる「食事」について、無理のないコツをご紹介します。


■「1日マイナス3g」が目標? 日本人の塩分事情と目指すべき数値


高血圧対策の主役は、やはり「減塩(げんえん)」です。


塩分をとりすぎると、体は濃度を薄めようとして水分を溜め込みます。その結果、血液の量が増えて血管がパンパンになり、血圧が上がってしまうのです。


◎どのくらいまで減らせばいいの?

厚生労働省や日本高血圧学会のガイドラインでは、以下の目標が示されています。


一般の成人(予防): 男性 7.5g未満、女性 6.5g未満

高血圧の方(治療): 1日6g未満


「6g」と言われてもピンとこないかもしれません。小さじ1杯の食塩が約6gです。つまり、治療のためには1日の塩分を小さじ1杯分に収める必要があります。


◎現状とのギャップを知ろう

では、私たちは普段どのくらい塩分をとっているのでしょうか。調査(令和5年 国民健康・栄養調査)によると、日本人の平均摂取量は約9.8g(男性10.7g、女性9.1g)です。


目標の6gと比べると、「今の食事からマイナス3〜4g」減らす必要があります。これは小さじ半分〜1杯弱の量です。


「いきなり半分にするのは無理!」と思うかもしれませんが、ここから紹介する方法で「ちりつも」で減らしていきましょう。


■「出す」力で血圧ケア! 積極的にとりたい栄養と食材


減塩と同じくらい大切なのが、「余分な塩分を体の外へ出す」ことです。ここで味方になるのが、カリウムや食物繊維といった栄養素になります。


◎野菜・果物の「排出パワー」を借りる

カリウムには、腎臓でナトリウム(塩分)の再吸収を抑え、尿として排出する働きがあります。これを積極的にとる食事法(DASH食)は、世界的に推奨されています。


おすすめ食材


ほうれん草、ブロッコリー、トマト、バナナ、納豆、わかめなど

いつものお弁当に「サラダ」をプラスする

食後のデザートをケーキから「果物」に変える


これだけでも立派な対策です。


【重要】腎臓の機能が低下している方はご注意ください


カリウムは健康な方には推奨されますが、腎臓の働きが弱っている方(慢性腎臓病など)の場合、うまく排出できず体に溜まりすぎてしまい、不整脈などの原因になることがあります。


健康診断で腎機能の低下を指摘されている方や、医師からカリウム制限の指示がある方は、自己判断せず必ず主治医の指導に従ってください。


◎飲み物は「水・お茶」が基本

「これを飲めば血圧が下がる」という魔法の飲み物はありません。ただし、血管を守る選び方はあります。


水・お茶(無糖)


脱水を避けるために、こまめな水分補給を心がけましょう。ただし、心不全や腎臓病などで医師から水分制限の指示がある方は、主治医の指示を優先してください。


お酢・柑橘類


お酢やレモンそのものに強い降圧効果を期待するよりも、「酸味」を料理に使うことがポイントです。酸味がアクセントになると、薄味でも物足りなさを感じにくくなり、結果として減塩しやすくなります。


■その一口が落とし穴? 無意識に塩分をとってしまうメニュー


食卓で塩やしょうゆをかけていなくても、私たちは知らず知らずのうちに「隠れ塩分」を口にしています。特に注意したいのが以下の3つです。


1. 麺類のスープ

ラーメン、うどん、そばなどの「汁(スープ)」。


お店や商品にもよりますが、麺と汁をすべて飲み干すと、それだけで6g近い食塩相当量になることもあります。


これは「たった1食で1日分の塩分をとってしまう」ことと同じです。「麺は食べてもいいけれど、汁は残す」。これだけで、数グラム単位の大きな減塩になります。


2. ご飯のお供(漬物・練り物)

梅干し、漬物、ちくわ、ソーセージ、干物など。


ご飯やお酒が進む食品は、保存性を高めるために塩分が多く使われています。「毎食の定番」にするのではなく、「たまの楽しみ」や「少量を楽しむ」という距離感に変えていきましょう。


3. 「かける」調味料

ソースやドレッシングを、料理の上からドボドボとかけていませんか?


全体にかけてしまうと、味の濃い部分と薄い部分ができ、舌が麻痺して量が増えがちです。小皿に出して「ちょんちょんとつける」スタイルに変えるだけで、摂取量を減らすことにつながります。


■忙しくても大丈夫! コンビニ・外食でできる「賢い手抜き」


「自炊する時間がないから食事改善は無理」と諦める必要はありません。コンビニや外食でも、選び方ひとつで血圧ケアは続けられます。


◎パッケージの「裏」を見るクセを

コンビニでおにぎりやお弁当を買うとき、パッケージの裏にある成分表示を見てみてください。そこに「食塩相当量」が書かれています。


選び方の目安


1食あたり「2g前後」を目安に選んでみましょう。


1日の治療目標が6g未満ですので、3食で割ると計算上この数字になります(間食や汁物で増えやすいので、あくまで目安と考えてください)。


おにぎりの具


チャーハンや炊き込みご飯よりも、「鮭や昆布のおにぎり」の方が塩分が低い傾向にありますが、商品によって差があります。最後は必ずパッケージ裏の『食塩相当量』を確認しましょう。


◎外食でのオーダー術

外食で気をつけたいのは「丼もの」です。カツ丼や牛丼は、ご飯につゆ(塩分)が染み込んでいて調整ができません。


おすすめは「定食」です。「お味噌汁は具だけ食べて汁は少し残す」「漬物はなしにしてください」など、自分で塩分をコントロールできる余地があるからです。


■「これなら続く」今日から始める3つの小さな習慣


いきなり食生活をガラリと変えるのは大変ですし、ストレスもかかります。まずは以下の3つから始めてみませんか?


  1. 麺類のスープは「残す勇気」を持つ。

  2. 調味料は「かける」のではなく、小皿に「つける」。

  3. 野菜や海藻を、今より「あと一品」増やす。


高血圧の食事療法は、100点満点を目指す必要はありません。「昨日は飲み会で食べすぎたから、今日はあっさりしたものにしよう」といった調整を長く続けることが、将来の血管を守ることにつながります。


ご自身の塩分摂取量の目安や、具体的な食事内容について気になる方は、お気軽にご相談ください。


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