血圧が気になる方へ!味が薄くない減塩食事を続ける調理のコツ|うえの台いたみと内科のクリニック|富木島町の内科・ペインクリニック

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血圧が気になる方へ!味が薄くない減塩食事を続ける調理のコツ

血圧が気になる方へ!味が薄くない減塩食事を続ける調理のコツ

減塩は「我慢」ではなく「置き換え」から始まります


健康診断で血圧を指摘されても、「減塩料理は味気なくて続かない」という声を本当に多く伺います。けれど減塩は、塩を削るだけの作業ではありません。うま味や香り、酸味を足して満足感を保つ道もあります。東海市で診療にあたる立場から、今日の食卓で試せる工夫をまとめました。


この記事の要点まとめ


  • 減塩はうま味や酸味、香りを足すことで物足りなさを感じにくくする工夫がある
  • 調理の仕上げ段階で味付けを分ければ、家族と同じメニューを続けやすい
  • 家庭血圧の記録や内科での検査は、食生活の見直しと合わせて判断材料になる

減塩料理が「薄味で物足りない」と感じる原因とよくある誤解

減塩料理が「薄味で物足りない」と感じる原因とよくある誤解

減塩が我慢の連続になるか、無理なく続く習慣になるか。その分かれ道は始め方にあると考えられます。まずは物足りなさが生まれる仕組みと、目安となる数字を押さえておきましょう。


急激に塩分だけを抜くと食事が味気なく感じられる理由


「おいしい」という感覚は、塩味だけで成り立つものではありません。うま味、香り、酸味、油脂のコク、そこに温度や食感が重なって満足感が生まれます。ところが醤油や味噌の量だけを一気に半分にすると、塩味と一緒にうま味や香りまで抜け落ち、輪郭のぼやけた味になりがちです。


濃い味に慣れた舌は、薄い塩味を捉えにくいとも言われます。だからこそ意識したいのは、減らした塩分の分を「うま味・香り・酸味」で埋め合わせるという発想。引き算に足し算を組み合わせると、食卓の印象はかなり変わってきます。


高血圧管理で目指したい1日の塩分摂取目安量


高血圧治療ガイドラインでは、高血圧のある方の食塩摂取量として1日6g未満という目標が示されています。対して日本人の平均摂取量は男性でおよそ10g前後とされ、その差は小さくありません。


ただ、初日から6gを狙う必要はないでしょう。汁物を1日1杯までにする、麺類の汁を残す、加工食品や漬物の頻度を見直す。こうした影響の大きいところから手をつけるほうが現実的です。食品表示の「食塩相当量」に目をやる習慣がつくと、ご自身の食生活の傾向も見えてきます。


旨味と香りで満足感を高める減塩調理の工夫

旨味と香りで満足感を高める減塩調理の工夫

ここからは台所ですぐ試せる工夫です。珍しい食材をそろえなくても、手順を少し変えるだけで味の印象は動きます。


かつお節や昆布の「濃厚な出汁」で塩分を補う方法


昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸は、合わせるとうま味の感じ方が強まるといわれています。市販の顆粒だしなら食塩無添加のタイプを選び、規定量よりやや濃いめに取ってみてください。汁物は、だしを濃く、具材を多めに。それだけで味噌を控えても物足りなさを感じにくいという声もあります。


干し椎茸の戻し汁、トマト、玉ねぎ、きのこ類もうま味を含む食材です。煮物や炒め物にきのこを足すだけでも、コクの下支えになってくれます。


酢やレモンの酸味と香味野菜・スパイスの組み合わせ


酸味は塩味の輪郭をはっきりさせてくれる相棒のような存在。焼き魚にレモンやすだち、揚げ物にはポン酢ではなく酢+少量の醤油、サラダは油と酢と黒こしょう。この程度の置き換えなら手軽でしょう。


香りの要素も忘れずに。生姜、にんにく、大葉、みょうが、ねぎ、七味、カレー粉、こしょう、ごま、焼き海苔。一品に一つ加えるだけで味の情報量が増えます。「うま味+酸味+香り」の三点セットを意識すると、塩分を控えた料理でも満足感を保ちやすくなります。


調味料は「かける」から「小皿でつける」への見直し


刺身や餃子、天ぷらに醤油を回しかけると、食材の内部まで染み込んで使用量がふくらみます。小皿に少量出して「つける」方式に切り替えれば、舌が触れる表面にだけ塩味がのり、少ない量でも塩気を拾いやすくなります。


スプレー容器に醤油を入れて霧状にする手もあります。ラーメンやうどんの汁を残す、漬物は副菜ではなく箸休め程度に。小さな積み重ねでも、見過ごせない差になっていきます。


家族と同じメニューで実践できる取り分け調理とナトカリ比の意識


「自分だけ別メニューでは家族に負担をかけてしまう」。これもよく伺うお悩みです。作り分けの手間を減らす段取りを知っておくと、続けやすさが変わってきます。


仕上げ段階で味付けを調整する家族共通の取り分け手順


コツは至ってシンプル。調理の途中までは薄味で作り、味を決める最後の段階で取り分けることです。煮物なら、だしと具材で煮含めた時点でご自身の分を器へ移し、鍋に残った分へ醤油やみりんを足す。炒め物も同様に、香味野菜とこしょうで下味をつけて取り分け、家族用にだけ塩や醤油を追加します。


味噌汁は薄めに仕上げ、食卓で各自が七味や生姜を足す形にすれば一鍋で済みます。鍋料理なら薬味とポン酢の小皿を各自に用意するだけ。作り分けではなく「仕上げの一手間を分ける」と捉えると、負担感は軽くなりやすいでしょう。


野菜や海藻のカリウムでナトリウムの排出をサポート


塩分を減らす取り組みと並行して意識したいのが、カリウムを含む食材です。カリウムはナトリウムの排出(排塩)に関わる栄養素で、野菜、果物、いも類、豆類、海藻などに多く含まれます。近年の高血圧ガイドラインでは、ナトリウムとカリウムの摂取バランスを表す「ナトカリ比」という考え方も紹介されています。


米国で提唱されたDASH食も、野菜・果物・低脂肪乳製品・大豆製品を中心に据えた食事法として知られるところ。納豆や豆腐、ほうれん草、バナナ、わかめを日々の献立に加えるのは、取り入れやすい一歩でしょう。ただし腎機能の低下がある方はカリウム摂取量への配慮が必要です。自己判断で増やす前に、主治医へご相談ください。飲酒量や体重の管理も、血圧を考えるうえで見逃せない要素になります。


食生活の改善とあわせて内科で状態を確認する重要性


食事の工夫は土台として大切です。ただ、それだけで判断を完結させないことも同じくらい重要になります。数値と体の状態を、客観的に把握しておきましょう。


食塩感受性の個人差と家庭血圧測定の記録


塩分を控えたときの血圧の反応には個人差があり、変化が現れやすいタイプ(食塩感受性)と、そうでないタイプがあると考えられています。ご自身がどちらに近いかを探る手がかりが、家庭での血圧測定です。


朝は起床後1時間以内・排尿後・服薬前に、夜は就寝前に。座って1〜2分安静にしてから測ります。この記録を数週間続けると、食生活の見直しと数値の推移を並べて眺められます。単発の測定値より、続けた記録のほうが診療の判断材料として役立ちます。


血管の状態や合併症リスクを調べる検査と医師への相談


血圧の高い状態が続くと、血管や心臓への負担が積み重なる可能性が指摘されています。当院では血管脈波検査や心電図検査装置、超音波診断装置などを備え、血管や心臓の状態を確認しながら診療にあたっております。


当院の院長は大学病院や総合病院で幅広い臨床経験を積み、高血圧や肥満症、糖尿病といった生活習慣病にも対応しております。治療方針は、患者様のご意向と推奨される方法を突き合わせながら一緒に考える姿勢を大切にしています。東海市やその近隣にお住まいで健診結果が気になる方は、食事の工夫と並行して一度ご相談ください。なお、健康診断と保険診療は同日に実施しておりませんので、別日でのご来院をお願いしております。


よくある質問


Q. 高血圧の減塩食のコツを一つ挙げるとすれば何でしょうか。


A. 「減らす」だけで終わらせず、「足す」を組み合わせることです。だしのうま味、酢やレモンの酸味、生姜やこしょうの香りを加えると、塩分を控えても物足りなさを感じにくいという声があります。汁物を1日1杯までにする、麺類の汁を残すなど、影響の大きい部分から始めるのも取り組みやすい方法でしょう。


Q. 毎日納豆を1パック食べると血圧はどうなりますか。


A. 特定の食品だけで数値が変わると断定することはできません。納豆は大豆製品でカリウムやたんぱく質を含み、バランスの取れた食事の一部として活用しやすい食材ですが、付属のたれを全量使うと塩分が加わる点にはご注意ください。全体の食習慣として捉えることをおすすめします。


Q. 手軽に取り組める減塩の工夫はありますか。


A. 調味料を料理にかけるのではなく、小皿に出してつける方法が手軽です。ほかにも、加工食品や漬物の頻度を見直す、食品表示の食塩相当量を確認する、味噌汁の具材を増やして汁の量を減らす、といった工夫が挙げられます。


Q. 減塩以外で血圧を考えるときに意識したい食べ物はありますか。


A. 野菜、果物、いも類、豆類、海藻など、カリウムを含む食材が挙げられます。DASH食のように野菜と大豆製品を中心に据えた食事法も知られています。ただし腎機能に低下がある場合は配慮が必要ですので、事前に医師へご確認ください。


Q. 食事を見直しても数値の変化が見られない場合はどうすればよいでしょうか。


A. 塩分制限に対する血圧の反応には個人差があります。家庭血圧の記録を持参のうえ内科を受診いただくと、生活習慣に関する助言や必要な検査について具体的に検討しやすくなります。自己判断で経過を見続けるより、一度ご相談いただくことをおすすめします。


長﨑 宏則

医師


うえの台いたみと内科のクリニック

院長

長﨑 宏則

▶ 監修者プロフィール

経歴
藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)卒
藤田保健衛生大学 麻酔・周術期管理医学講座
大同病院 麻酔科部長を経て、2023年うえの台いたみと内科のクリニック開設
上記の他に、日本ペインクリニック学会指定研修施設、内科・小児科・皮膚科・ペインクリニック医院に非常勤医師として勤務
資格・所属学会
【資格】
日本専門医機構認定 麻酔科専門医
日本麻酔科学会認定 麻酔科指導医
厚生労働省 麻酔科標榜許可(麻酔科標榜医)
厚生労働省 緩和ケア研修修了医
日本臨床栄養代謝学会 TNT研修修了医
臨床研修指導医
【所属学会】
日本麻酔科学会
日本臨床麻酔学会
日本ペインクリニック学会
日本疼痛漢方研究会
日本臨床栄養代謝学会