子どもが夜に発熱、解熱剤は必要?様子の見方と水分補給・受診の目安|うえの台いたみと内科のクリニック|富木島町の内科・ペインクリニック

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子どもが夜に発熱、解熱剤は必要?様子の見方と水分補給・受診の目安

子どもが夜に発熱、解熱剤は必要?様子の見方と水分補給・受診の目安

39℃近い熱で眠っている夜に、まず確かめたいこと


眠っている子を起こしてでも解熱剤を飲ませるべきか。夜の発熱で、多くの保護者の方が迷う場面です。判断の手がかりは体温の数字だけではありません。この記事では、反応・呼吸・水分の見方、以前の処方薬や市販薬を使う前の確認点、朝まで待たずに相談したいサインを順に整理します。


この記事の要点まとめ


  • 夜は体温だけでなく、反応・呼吸・水分や尿を確認。眠れている子は起こさず見守る選択肢があります。
  • 解熱剤は本人のつらさを目安にし、処方量・間隔や市販薬との成分重複を確かめます。
  • けいれん・意識や呼吸の異変は119番、生後3か月未満の発熱などは早めに相談。迷う夜は#8000も活用できます。

夜の発熱は体温より、反応・呼吸・水分の様子を見る

夜の発熱は体温より、反応・呼吸・水分の様子を見る

夜に熱が上がったとき、最初に見たいのは体温計の数字ではなく、呼びかけへの反応・呼吸・水分が取れているかの3点です。解熱剤は熱そのものより、つらさを和らげる目的で使われる薬だと考えると判断しやすくなります。


声かけへの反応と呼吸に異変があれば、薬より相談を優先


顔色、名前を呼んだときの反応、息の様子を先に確かめます。


  • 呼びかけてもぼんやりして、視線が合わない
  • 肩で息をする、ゼーゼーする、息を吸うと胸がへこむ
  • 唇や顔色が青白い、土気色に見える

こうした様子があるなら、解熱剤を試して待つより、相談や救急要請を先に考えてください。連絡先は後半で整理しています。


眠れている子を、解熱剤のために起こす必要はある?


呼吸が落ち着き、顔色も普段と大きく変わらず眠れているなら、熱の数字だけを理由に起こして飲ませる必要はないと考えられます。眠りは体を休める大切な時間です。目を覚ましたときに機嫌が悪い、つらくて寝付けないといった様子が見えたら、その時点で使うかどうかを考えれば間に合います。


ポイント

呼吸が穏やかで顔色も普段どおりに眠れているなら、起こさずに見守る選択肢があります。


起きたら少しずつ水分を飲ませ、室温と衣服を調整する


起きたタイミングで、湯冷ましや子ども用のイオン飲料を一口ずつ勧めます。一度に多く飲ませると吐くことがあるため、少量をこまめに。おむつの濡れ具合や排尿の回数も、水分が足りているかの目安になります。


寒がって手足が冷たいときは布団を1枚足し、汗をかき始めたら薄着にして着替えさせましょう。首やわきを冷やすクーリングは、本人が気持ちよさそうなら続け、嫌がるなら無理に行わなくてかまいません。


子どもの解熱剤の使い方は、つらさと薬の内容で決める


熱の原因については医師にご相談ください。使うかどうかは、熱の数字より本人のつらさで考えます。当院でも、発熱があるからといって解熱剤を一律に使うのではなく、お子様の全身の様子を診て総合的に判断しております。


熱が高くても休めるなら、薬を使わず見守る選択も


使いどころの目安は、眠れない、ぐずって水分も取れない、といったときです。熱があっても遊べて飲めているなら、急いで使わなくてよい場面も少なくありません。なお、熱性けいれんの再発予防について、間欠的なイブプロフェンの使用では、プラセボまたは無治療と比べ明らかな効果は確認されなかったとする研究のまとめがあります1。


以前の処方薬は、今の体重・使用間隔・上限を確認


子どもの解熱剤の量は、医師が状態に応じて判断します。以前の処方薬が手元にあっても、成長して体重が変わっていれば量が合わないことがあります。使う前に、薬袋や説明書で次の点を確かめてください。


  • 誰に処方された薬か、成分名と濃度
  • 1回量と、次に使うまで空ける時間
  • 1日に使える回数の上限

読み取れない場合や、持病・薬のアレルギーがある場合は、自己判断せず医師や薬剤師に尋ねましょう。


市販のかぜ薬と重ねる前に、解熱成分を確かめる


子どもに使われる主な解熱成分はアセトアミノフェンとイブプロフェンで、2歳未満を対象にした研究のまとめでは、短期間の使用で副作用の発生頻度に大きな差はみられなかったと報告されています2。気をつけたいのは、市販のかぜ薬にも同じ解熱成分が含まれている場合があることです。処方薬と重ねると、気づかないうちに量が増えてしまいます。


商品名ではなく、成分表示と対象年齢で確認してください。アセトアミノフェンとイブプロフェンを交互に使う方法も、試験で検討されています3。始めるかどうかは医師に相談したうえで決めましょう。


飲んだ後に吐いた・坐薬の後に排便したときは追加を急がない


飲んだ直後に吐いた、坐薬を入れた後に便が出た。そんなときも、薬がどれだけ体に入ったかは状況によって異なります。慌てて同じ量を足さず、薬の名前、使った時刻、吐いた・排便した時刻をメモし、処方元の医療機関や薬剤師に確認してください。


受診を急ぐ症状と、夜間・翌日の相談先を分けて考える

受診を急ぐ症状と、夜間・翌日の相談先を分けて考える

緊急性が高ければ119番、迷う段階なら電話相談、落ち着いていれば翌日の診療時間内に受診。この3つに分けておくと、夜でも次の行動を決めやすくなります。


お子様の様子考えたい行動
けいれんが続く、意識が戻らない、呼吸が苦しい119番へ連絡
生後3か月未満で38℃以上、飲めない、尿が少ない早めに医療機関へ相談
迷うが、反応や呼吸は落ち着いている小児救急電話相談(#8000)へ
熱はあるが、飲めて眠れている翌日の診療時間内の受診を検討

表はあくまで目安です。同じ様子でも、時間とともに悪くなっているなら一段上の行動を選んでください。


けいれん・意識の異常・呼吸困難なら救急車も考える


けいれんが止まらない、止まっても呼びかけに反応しない、息が苦しそう。こうした場合は、解熱剤より119番への連絡を優先します。解熱剤でけいれんを防ごうとして連絡を遅らせるのは避けたい対応です1。けいれん中は周りの物をどけ、口に物を入れず、始まった時刻と様子を伝えられるようにしておきましょう。


生後3か月未満の38℃以上、飲めない・尿が少ない場合は早めに相談


月齢の低い赤ちゃんが発熱した場合は、元気そうに見えても受診の時期を医師にご相談ください。年齢にかかわらず、水分がほとんど取れない、おしっこの回数がいつもより明らかに少ない、時間とともにぐったりしてくる場合も、朝まで待つか迷ったら相談してください。


夜間に迷うときは時間外の窓口へ、診療時間内は小児科へ


夜間や休日に判断に迷うときは、小児救急電話相談(#8000)が利用できます。受付時間は地域によって異なるため、愛知県の案内を前もって確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。


翌日の診療時間内に相談できそうな場合は、小児科への受診を検討してください。当院では、お熱のある方には来院前にお電話をいただくようお願いしております。受診の際は熱の経過だけでなく、飲めた量、尿の回数、使った薬の名前と時刻を伝えていただくと、お子様の全身の様子と合わせて判断しやすくなります。診療時間はアクセスページでご確認ください。


ポイント

「朝まで待てるか」を一人で抱え込まず、迷ったら#8000に相談してから次の行動を決めてかまいません。


よくある質問


Q. タイレノールは子どもに使えますか?


A. タイレノールの成分はアセトアミノフェンです。アセトアミノフェンは子どもの発熱や痛みにも用いられる成分です2。ただし市販品には大人向けに対象年齢が定められた製品もあります。パッケージの対象年齢と用量を確認し、わからない場合は薬剤師にご相談ください。


Q. カロナール200は微熱でも使うものですか?


A. カロナールはアセトアミノフェンの処方薬です2。微熱で元気に過ごせているなら、急いで使わなくてよいことが多くあります。「200」は1錠に含まれる量を示しており、子どもに使う量は体重で決まるため、処方時の指示を確認したうえでお使いください。


Q. 子どもに解熱剤は使わない方がいいのですか?


A. 避ける必要はありません。つらさを和らげ、休息や水分補給をしやすくする目的で使う薬です。一方で、熱性けいれんの予防を目的に使うことは勧められていません1。


Q. 0歳児の熱が38度あったらどうしたらいいですか?


A. 生後3か月未満であれば、元気そうに見えても早めに医療機関へご相談ください。3か月以降は、反応・呼吸・水分・尿の様子を確認し、判断に迷う夜間は#8000の利用も検討してください。


参考文献


1. Offringa M, Newton R, Nevitt SJ, et al. Prophylactic drug management for febrile seizures in children. The Cochrane database of systematic reviews. 2021. PMID: 34131913, DOI: 10.1002/14651858.CD003031.pub4

2. Tan E, Braithwaite I, McKinlay CJD, et al. Comparison of Acetaminophen (Paracetamol) With Ibuprofen for Treatment of Fever or Pain in Children Younger Than 2 Years: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA network open. 2020. PMID: 33125495, DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2020.22398

3. De la Cruz-Mena JE, Veroniki AA, Acosta-Reyes J, et al. Short-term Dual Therapy or Mono Therapy With Acetaminophen and Ibuprofen for Fever: A Network Meta-Analysis. Pediatrics. 2024. PMID: 39318339, DOI: 10.1542/peds.2023-065390


長﨑 宏則

医師


うえの台いたみと内科のクリニック

院長

長﨑 宏則

▶ 監修者プロフィール

経歴
藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)卒
藤田保健衛生大学 麻酔・周術期管理医学講座
大同病院 麻酔科部長を経て、2023年うえの台いたみと内科のクリニック開設
上記の他に、日本ペインクリニック学会指定研修施設、内科・小児科・皮膚科・ペインクリニック医院に非常勤医師として勤務
資格・所属学会
【資格】
日本専門医機構認定 麻酔科専門医
日本麻酔科学会認定 麻酔科指導医
厚生労働省 麻酔科標榜許可(麻酔科標榜医)
厚生労働省 緩和ケア研修修了医
日本臨床栄養代謝学会 TNT研修修了医
臨床研修指導医
【所属学会】
日本麻酔科学会
日本臨床麻酔学会
日本ペインクリニック学会
日本疼痛漢方研究会
日本臨床栄養代謝学会