
休んでも抜けないだるさ、疲れと片づける前に確認したいこと
朝、目を開けた瞬間から体が重い。以前は平気だった買い物やPTAの集まりが、やけにこたえる。子育て世代なら誰でも疲れている——そう言い聞かせながらも、動悸や首元の圧迫感が重なると不安になるものです。この記事では、一時的な疲労と受診を検討したい倦怠感の見分け方、内科で行われる問診や検査の流れまでを整理します。
この記事の要点まとめ
- 十分に休養しても1か月以上だるさが続く場合は内科受診が目安となります。
- 血液検査などで貧血や甲状腺の病気、血糖の状態などを確認できます。
- 検査数値に表れにくい倦怠感は、生活習慣の見直しや他科連携で対応します。
「疲れ」と内科受診が必要な体のだるさの見分け方

疲労そのものは体を守る反応で、休めば軽くなるのが本来の姿です。問題は、休んでも戻らない状態が続くとき。内科領域では、期間と随伴症状という二つの物差しで整理していきます1。
数日休んでも回復しないだるさが続く期間の目安
一晩眠れば軽くなる、休日にゆっくりすれば月曜には動ける。この範囲なら生活由来の疲労と考えやすいところです。一方、十分に休んでも変化が乏しい状態が長く続く場合、目安として1か月、あるいは2〜3か月におよぶようであれば、背景に体の変化が隠れていないか確認しておきたいところです。
判断のコツは「量」ではなく「戻り方」です。忙しさが一段落した週末や連休明けにどう感じたかを思い出してみてください。休養後も同じ重さが残るなら、休養不足だけでは説明しにくくなります。
動悸・首元の圧迫感・体重の増減など見逃せない随伴症状
だるさに何かが「足された」ときは注意深く見ていきます。階段でもないのに脈が速い、首の前側が詰まる感じがする、食事量を変えていないのに体重が数か月で数キロ動いた。こうした変化は、甲状腺や血液、代謝の状態と関連することがあります。
ほかにも、寒がりになった、肌が乾く、月経量が増えた、傷が治りにくいといった小さな変化が手がかりになります。「歳のせい」で束ねてしまう前に、書き出して整理しておくと診察で役立ちます。
胸の痛みや呼吸のしづらさなどすぐに医療機関へ向かうべきサイン
次の症状を伴う場合は、様子見をせず速やかな受診・救急要請を検討してください。
- 胸の痛みや強い圧迫感、冷や汗を伴う
- じっとしていても息が苦しい、横になると息が上がる
- これまで経験のない激しい頭痛、ろれつが回らない、手足の力が入らない
- 意識が遠のく、立てないほどの脱力
心臓のはたらきの低下でも、初期は疲れやすさや息切れといった漠然とした訴えから始まることがあります。だるさだけと思っても、胸部や呼吸の症状が重なったときは急ぐ判断を。
だるさの背景に隠れていることがある代表的な病気

倦怠感は多くの病気に共通する症状のため、内科では頻度の高いものから順に確認していきます。以下は一般的な医学的説明であり、症状が当てはまるからといって特定の病気と決まるものではありません1。
貧血や甲状腺機能低下症によるだるさの特徴
鉄欠乏性貧血では、動悸や息切れ、顔色のくすみ、爪が割れやすい、氷を無性に食べたくなるといった訴えが見られます。40代女性は月経量の変化が影響することもあり、血液の数値で確認する意義があります。貧血は原因によって考え方が変わり、造血機能そのものの問題が背景にある場合には専門的な検討が必要になることもあります。
甲状腺機能低下症では、寒がり・むくみ・体重増加・便秘・声のかすれ・気力の落ち込みが重なりやすいとされます。首元の圧迫感を感じる方もおり、更年期の症状と紛らわしい点が見分けにくさにつながります。
糖尿病が疑われる喉の渇きと水分摂取量の目安
「喉が渇く」はよく聞く訴えですが、目安になるのは量と時間帯です。一般に、普段よりも明らかに多い水分をとっても渇きが収まらない、夜中に喉の渇きで目が覚めて飲む、トイレの回数が明らかに増えたといった組み合わせは、高血糖に伴う症状として確認したいところ。甘い清涼飲料で渇きをしのぐと血糖がさらに上がり、だるさが強まる悪循環にもなります。体重が減っているのにだるいという場合も、血糖の評価が行われます。
睡眠時無呼吸症候群や更年期に伴う自律神経の乱れ
睡眠時間は足りているのに日中眠い、朝の頭重感がある、家族にいびきや呼吸の止まりを指摘された——こうした背景には睡眠時無呼吸症候群(SAS)が関与していることがあります。女性は閉経前後に増える傾向も指摘されています。
更年期では女性ホルモンの変動から自律神経のバランスが揺らぎ、ほてり、発汗、動悸、寝つきの悪さ、些細なことでのいら立ちが混ざり合います。ただし更年期と決めてしまう前に、貧血や甲状腺、血糖といった検査で確認できる要素を先に整理しておくと、その後の見通しが立てやすくなります。
内科での問診・検査の流れと費用の目安
受診をためらう理由に「何を話せばいいかわからない」「いくらかかるか読めない」があります。先に流れを知っておくと、診察室での時間の使い方が変わります。
問診で伝えたい症状の内容とメモの取り方
スマートフォンのメモで十分なので、次の項目を箇条書きにしておくと伝え漏れが減ります。
- いつから:だるさを自覚し始めたおおよその時期
- どんなときに強いか:朝起きた瞬間/夕方/生理前後など
- 一緒に出ている症状:動悸、息切れ、むくみ、寒がり、喉の渇き、いびきの指摘
- 体重・睡眠・月経の変化:直近半年の増減と睡眠時間
- 服用中の薬やサプリメント:市販薬も含めて(薬の作用でだるさが出ることもあります)
「疲れている」だけでは情報量が足りません。日常のどの動作がどれだけつらくなったかを具体的に言えると、絞り込みが進みます。
血液検査・尿検査・心電図などで分かること
血液検査では、ヘモグロビンなど貧血の指標、甲状腺ホルモン、血糖やHbA1c、肝機能・腎機能、炎症の有無などを確認します。尿検査では尿蛋白や尿糖をチェック。動悸を伴う場合は心電図検査で脈の乱れを見ます。内科では、超音波診断装置や心電図検査装置、血管脈波検査、レントゲンなどを用いて、症状に応じて必要な検査を組み合わせることがあります。
なお当院では、保険診療の規定により健康診断と保険診療を同日には実施しておりません。健診をご希望の場合は別日のご来院をお願いしています。
初診料や血液検査を含めた費用の目安
保険診療(3割負担)の場合、初診料と一般的な血液検査、尿検査を合わせて数千円程度となることが多く、検査項目が増えると1万円前後になることもあります。項目数や追加検査の有無で変わります。この金額は一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関により異なり、当院の費用は診察のうえでご案内します。
点滴療法など保険適用外の内容を選択する場合は自由診療(公的医療保険が適用されない)となり、費用は全額自己負担です。一般的な進め方としては、1回あたりの所要時間が30分〜1時間程度、回数は1回のみで様子をみる場合から、週1回程度を目安に数回(おおむね3〜6回)続ける場合まで幅があり、期間としては数週間〜3か月程度を目安に体調をみながら判断していくことが多いとされています。費用は、複数の医療機関が公開している価格からみると、1回あたりおおむね3,000円〜15,000円程度、3〜6回続けた場合の総額はおおむね1万円〜9万円程度が一つの目安です(点滴の内容によって幅があり、初診時の診察料や血液検査を別途要する場合はおおむね3,000円〜10,000円程度が加わることがあります)。これらは一般的な相場であり当院の費用ではありません。当院の費用は診察のうえでご案内します。
また、自由診療の点滴療法では、次のような副作用(体に起こる好ましくない変化)が生じることがあります。
- 注射した部位の痛み(疼痛)、赤み(発赤)、腫れ(腫脹)、かゆみ
- 内出血(青あざ)、針を刺した部位に色素沈着(色が残ること)が生じる
- 血管に沿った痛みや硬さ、静脈の炎症(静脈炎)
- 気分不良、吐き気、めまい、動悸、頭痛などの体調変化
- まれに発疹・じんましん・息苦しさなどのアレルギー反応
実施の可否や必要性、回数や期間は、症状や体質を確認したうえで診察で判断します。施術中や施術後に体調の変化があった場合は中止し、医師にご相談ください。
検査で異常なしと言われたときに考えたい次の一歩
血液検査で目立った異常がないと、かえって行き場を失った気分になる方がいます。数値が整っていることは一つの安心材料ですが、それで話が終わるわけではありません1。
身体的な数値に異常が出にくい自律神経の乱れやストレス
自律神経のはたらきは血液検査の項目に直接表れません。睡眠の質の低下、長期の緊張状態、休みなく続く家事・育児・仕事の重なりは、体温調節や消化、脈拍のコントロールに影響し、だるさとして自覚されることがあります。感染症の後に疲れやすさが長引く例も知られており、経過を時系列で追うことが手がかりになります。
「異常なし」は「気のせい」ではありません。 数値で説明できる範囲を一度除外できた、という段階と捉えてください。そのうえで、睡眠環境、食事のリズム、鉄やビタミンを含む栄養の偏り、運動量といった生活面を一つずつ見直していきます。漢方薬による調整が選択肢になる場合もあり、体質や併用薬を踏まえて相談します。
必要に応じて心療内科など他科と連携する流れ
気分の落ち込みや興味の減退、朝の強い億劫さが2週間以上続くときは、心療内科や精神科での相談が適していることがあります。内科での検査結果を共有したうえで紹介する形をとれば、同じ検査を繰り返す手間が省けます。
治療法の選択にあたっては、患者本人の意向と推奨される治療方針をすり合わせながら一緒に考えていくことが大切とされています。どこに相談すべきか迷う段階でも、まず一般内科で全体を整理してから次を決める進め方は現実的です。
東海市で受診先を選ぶときに押さえておきたい点
体の不調を自覚していても、通いにくさが理由で先送りになることがあります。東海市にお住まいで、パート勤務と家事・育児が重なる方にとっては、通院の段取りが実際の受診を左右します。
東海市でパート勤務や家事の合間に通いやすい受診時間帯
確認しておきたいのは、午前診療が子どもの登校後に間に合うか、午後診療が夕方の帰宅前に収まるかという点です。受付終了時刻は診療終了の15分前などに設定されていることが多く、仕事の終わり時間との兼ね合いも見ておきたいところ。ウェブ予約に対応していれば、待ち時間を短くする助けになります。
駐車場の有無も見落とせません。東海市内は車移動が中心のご家庭が多く、大型の駐車場を備えたクリニックであれば、買い物のついでに立ち寄りやすく、通院の続けやすさにつながります。
お子様連れでも相談しやすいクリニックを見分ける視点
子どもを預けられないから受診できない、という声は珍しくありません。見分ける手がかりはいくつかあります。
- 小児科を標榜しているか:お子様連れの来院に慣れている環境かどうかの目安になります
- 予約制の有無:待合での滞在時間を短くできるか
- 待合の広さや動線:ベビーカーで入れるか、駐車場から入口までが近いか
内科に加えて小児科などを標榜しているクリニックであれば、お子様連れでの来院にも対応しやすいといえます。自分の不調を後回しにしてきた方ほど、生活動線の中で寄れる場所を選ぶことが、最初の一歩を軽くします。まずは症状のメモを持って、一般内科で全体を確認するところから始めてみてください。
よくある質問
Q. 体のだるさが続いていたら何科を受診したらよいですか?
A. 原因が絞り込めていない段階では、一般内科が入口として適しています。貧血、甲状腺、血糖、肝機能などを血液検査で確認し、必要に応じて他科へ紹介する流れになります。婦人科的な症状が中心であれば婦人科、気分の落ち込みが強ければ心療内科という選び方もありますが、迷う場合は内科で全体像を整理すると次の判断がしやすくなります。
Q. 体がとてもだるいのは病気のサインでしょうか?
A. だるさそのものは疲労でも病気でも起こるため、症状だけで判断はできません。休養で戻るかどうか、動悸や体重変化、喉の渇きなどが重なっていないかが手がかりになります。1か月以上続く場合は、一度検査で確認しておくと安心につながります。
Q. だるくて病院に行く気力すら出ないのですが、これも不調のうちですか?
A. 受診の準備すら億劫という状態は、体力の低下や気分の落ち込みが関与していることがあります。電話やウェブでの予約を先に取ってしまう、家族に付き添ってもらうなど、行動のハードルを下げる工夫から始めてみてください。それも難しいほどの状態が続く場合は、その旨を含めて相談していただいて差し支えありません。
Q. 病院に行く基準はどのあたりですか?
A. 目安は「休んでも戻らない状態が1か月以上続く」「日常生活や仕事に支障が出ている」「他の症状が加わった」の三つです。胸の痛み、強い息苦しさ、経験のない激しい頭痛、手足の麻痺を伴う場合は、時間をおかず医療機関へ向かってください。
Q. 血液検査では疲れの原因がわかりますか?
A. 貧血、甲状腺ホルモンの異常、血糖の上昇、肝機能や腎機能の低下、炎症の有無など、だるさにつながる要素の多くは血液検査で確認できます。ただし自律神経の乱れやストレスの影響は数値に出にくいため、検査結果と症状の経過を合わせて考えていきます。
参考文献
1. 日本内科学会 https://www.naika.or.jp/
2. Alhajahjeh A, Woite NL, Rolles B et al. Luspatercept for patients with lower-risk myelodysplastic syndromes/neoplasms: a systematic review and meta-analysis. Blood advances. 2025. PMID: 40966428, DOI: 10.1182/bloodadvances.2025017611
3. St Pierre K, Cashmore BA, Bolignano D et al. Interventions for preventing the progression of autosomal dominant polycystic kidney disease. The Cochrane database of systematic reviews. 2024. PMID: 39356039, DOI: 10.1002/14651858.CD010294.pub3
4. Parizad R, Hatwal J, Taban Sadeghi M et al. Clinical Advances in Heart Failure with Preserved Ejection Fraction: A Systematic Review of Therapeutic and Mechanistic Evidence. Vascular health and risk management. 2026. PMID: 41953528, DOI: 10.2147/VHRM.S578698
藤田保健衛生大学 麻酔・周術期管理医学講座
大同病院 麻酔科部長を経て、2023年うえの台いたみと内科のクリニック開設
上記の他に、日本ペインクリニック学会指定研修施設、内科・小児科・皮膚科・ペインクリニック医院に非常勤医師として勤務
日本専門医機構認定 麻酔科専門医
日本麻酔科学会認定 麻酔科指導医
厚生労働省 麻酔科標榜許可(麻酔科標榜医)
厚生労働省 緩和ケア研修修了医
日本臨床栄養代謝学会 TNT研修修了医
臨床研修指導医
【所属学会】
日本麻酔科学会
日本臨床麻酔学会
日本ペインクリニック学会
日本疼痛漢方研究会
日本臨床栄養代謝学会
